やさしい梨半分

今朝は体調不良で起きれず、仕事に行く旦那さんを布団の中から見送った。
朝ごはんの支度も弁当の準備も、見送りすらもまともにできず。情けなさと申し訳なさでいっぱいの朝だった。

昼過ぎになってようやく体力が回復してきて。飲み物を取ろうと冷蔵庫を開けるとタッパーに切った梨が入っていた。旦那さんは果物が好きで、よくお弁当と一緒に果物を持っていく。中でも梨は大好物で、夕飯前とかに一人でこっそりキッチンで頬張っていたりすることもあるくらいだ。
てっきり旦那さんが自分で剥いたまではいいが、お弁当に持って行くのを忘れたのかと思って慌てたけれど、タッパーを開けてみると入っていた梨は半分だった。
ふと昨晩、夕食後に「一緒に梨を食べよう」と言った旦那さんの言葉を思い出した。私は少し考えて「時間もおそいから明日の朝、一緒に食べよう」と言ったのだ。
冷蔵庫の横に目線をやると調理台の上に昨晩洗えなかった食器が綺麗に洗ってあって。流しには一人分の食器がポツンと置かれていた。
こみ上げてくるものがあって。甘いはずの梨は、何だかちょっと、しょっぱかった。