どうぶつの記憶
朝晩、すっかり涼しくなりました。
「運動するにはいい時期になったよね」旦那さんと話をしながら家の近くを歩いていると
左手前方の田んぼ道を歩く、ワンちゃんの姿を見かけました。
飼い主さんの少し先、つかず離れずの距離を保ちながら、しっぽを立ててのんびりテクテク。
私「あのワンちゃん、すごいごきげんだね(^^)」
旦那さん「そうなの?」
私「うん。めっちゃいい笑顔してる(笑)」
きっと、飼い主さんとのおさんぽが楽しくてしかたないんだなぁ、と思いながら眺めていると
私達の進む道とちょうど交差する道、公園の角でそのワンちゃんがこちらの方を見てピタリと立ち止まりました。
飼い主さんが立ち止まったワンちゃんを追い越し、少し先で「ほれ。帰るよ」と声をかけると
たたたた、と飼い主さんの方へ走って行って。
また、少し進んだところでピタリ、と立ち止まってこちらを見ている様子がふしぎで、かわいくて。
私達の近くに他の犬か、知ってる人でもいるのかと後ろを振り返ってみましたが、辺りにそれらしい人影は見えず。
「どうしたんだろうね?」「まだ散歩し足りなかったのかもね」
そんな話をしながらいつもの散歩道を歩いたのですが、
家に帰り着いてからふと、思い出しました。
私「ねぇ、あのワンちゃん。前になでたことがあったよ。」
夕方の散歩途中。
河原沿いの一本道で、前方からこちらへと歩いてくる人影に気づいて、道を空けようと少し視線を落としたその先に
きらきら、にこにこした目でこちらを見上げながら歩いてくる一匹のワンちゃんがいて。
歩調を崩さず、こちらへ寄るように歩く向きを変えることもなく。でも、視線を外すことなく、ひたすらきらきらした目で見上げてくるワンちゃんで。
その様子があまりにもかわいくて(笑)
ワンちゃんの後ろを歩いてくる飼い主さんに了承を得て、その時一度だけ、なでさせてもらったことがありました。
かれこれ3ヶ月近くも前のことです。
私も旦那さんもすっかり忘れていましたが、あのワンちゃんは何ヶ月も前の、ただ一度の出来事を覚えていたのかなぁと。
そういえば、同じくお散歩コースで見かけた茶色いトラ猫さんも初めて見かけてあいさつをしてなでて、
それから2〜3週間たって通りかかった際、茂みから「にゃーん」とシッポを立てて出てきて「えっ、覚えてるの??」とびっくりしたことがありました。
(初対面の時は逃げようかどうしようかと身構えている感じだったので、2度目のフレンドリーなギャップとも相まって…。)
犬は三日飼えば三年恩を忘れない、猫は三日で恩を忘れる、というようなことわざがあるけれど、
人よりも動物たちの方が実はずっと、物事を覚えているのかもしれないと感じた日でした。