deep-blue00’s blog

ゆるさ、模索中。

あぷりっしぃえいでっ

中学生のとき、英語の授業があった。あったけれど私は英語の授業が大嫌いで。万年赤点だった。赤点を取るたび「いいもん。私、海外なんて行かんし。日本人やしっ」とツンツンしていた。英語を使っている自分なんて全く想像できなかった。そもそも海外の人を見かけたこと自体、それまで指折り数えるくらいしかなかった。

割と都市部にある高校に入っても駅でたまに海外の人を見かけるくらいで、言葉を交わす機会はなく。私のその考えは変わらなかった。変わったのは社会人になってだいぶたってからのことだった。


相変わらず街や会社で海外の人と会う機会も話す機会もない。けれど、実家を出てから数年ぶりに始めたゲームで、ストーリーに出てくる登場人物の会話が、すべて英語だった(笑)
でも日本語の字幕がちゃんとついていたので、ここまではなんの問題もなかった。問題はむしろ、ストーリーを終えて、プレイヤー同士で遊ぶ時だった。


インターネットで繋がった先に居るプレイヤーは日本人だけではない。海外のプレイヤーが大勢いて、一緒に遊んだ後にお礼のメッセージなんかが届く。当然、英語で。

大半は「thx」「nice run」「gj!」(※good job!)などの簡単で短いものが多いけれど、丁寧な長文のメッセージを頂くこともわりとあった。今はスマホにメッセージを転送して比較的かんたんに翻訳したりできるけれど、私が遊んでいた時は英語のメッセージが来るたびにpcに一字一字、自力で打ち直して意味を検索していた。けれど、そこまでやったとしてもきちんとした文章に翻訳される事はごくまれで。結局、単語を拾って大まかな意味を理解し。そこからまたうまく翻訳されない日本語→英語変換に悪戦苦闘しながらメッセージのやり取りをしていた。

この時になってはじめて、私は英語というものの面白さを学んだように思う。時間がかかるので相手には申し訳なく思っていたが、こちらが頑張って返信すると、ありがたいことに丁寧な返信をいただけることが多かった。私の英語が相手の心にきちんと伝わったのだという感じがして、それがたまらなく嬉しかった。私が中学の時にこのゲームがあれば、少なくとも20〜30点の英語のテストを持って帰ってくることはなかったんじゃないかと思う(笑)


ゲームをやめた今、私が英語に触れる機会はなくなってしまったけれど、先日、旦那さんが職場で重い荷物を運ぶとき。海外から働きにきている人に手伝ってもらったそう。


「appreciated」


そう言ったら、相手は片手を軽く上げて笑ったよ。英語、ちゃんと伝わるんだな、って思った。

そう笑って、うれしそうに話してくれた旦那さん。
私と旦那さんは、同じそのゲームの中で、知り合った。

『appreciated』

懐かしいね、と二人で笑った。ゲームの中で幾度となく耳にしたその言葉は、海外の人に気持ちを伝えるツールのうちの一つでもある。でもそれと同時に、私と旦那さんの間で通じる『昔なじみの』合図みたいなものであったりもする。
英語で胸があったかくなる日がくるなんて。中学生で英語が大嫌いだった頃の私には想像もつかないことだろうな。そう思って、ちょっと笑った。